行事報告

■禅をきく会

平成30年度「禅をきく会」開催報告

 平成30年12月10日(月)に、大宮ソニックシティ大ホールにて「禅をきく会」を開催いたしました。
 師走の寒空のもと、約700名と、多くの方にご参加いただきました。年末のお忙しい中ありがたい限りです。今回も禅や仏教に対する関心の深さがうかがえました。
 関東管区教化センター、一適隆章(いってきりゅうしょう)統監挨拶の後、最初はマインドフルネスのトップ講師、人見ルミ先生による講演「こころが整うマインドフルネス」です。先生はインドにて本格的な瞑想を学び、マインドフルネスを実践しストレスの解消や感情のコントロール方法を身につけられました。ご講演や企業研修の講師としてもご活躍です。先生は映像を交えわかりやすくマインドフルネスの実践、今ここに気付きを持って行動し呼吸するこが大切であることを話されました。実践的なワークショップも行い、呼吸法や対話、身体ほぐしの実践など日常生活の中でも出来る方法をご指導いただき、今までにない講演となりました。坐禅との共通点もあり、貴重なご講演となりました。書籍の販売も行い多くの方が購入してくださいました。
 休憩の後、姿勢を調え、呼吸を調え、自然に心も静まる、マインドフルネスとはまた違う椅子坐禅を修行し、参加者の皆さんと共に心静かな時間を過ごしました。
 その後、曹洞宗特派布教師で福島県長秀院住職、渡邊祥文(わたなべしょうぶん)老師による禅話「大震災・原発事故から7年~生きる道標(みちしるべ)」です。7年前に起きた東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により、今も多くの方々が避難生活を送っている現状を話され、事故当時のお寺での状況や近所の方、お檀家さんの話をして下さりました。希望を無くしたおばあさんが「お寺に和尚さんがいて良かった」と本堂にお参りをしたお話は、決して忘れることが出来ない7年前の原発事故を再び私たちに提示された思いでした。風化という言葉がありますが、未だに続いている現状を見据える事の大切さを学びました。また柔軟心(にゅうなんしん)という道元禅師の言葉をご提示いただき、「慈悲」と「智慧」に生きることが、生きる道標(みちしるべ)となるとご教示され、とても貴重な禅話となりました、会場の参加者の皆様も熱心に聴いてくださいました。
 今回も、ラジオや新聞の広告、お寺の掲示板などで「禅をきく会」を知った方もいらっしゃいました。ご参加いただいた方からも・・・「感動的な禅話だった」「禅の世界にますます興味をもった」との感想があり、意義のある「禅をきく会」となりました。

平成29年度「禅をきく会」開催報告

 平成30年3月7日(水)に、大宮ソニックシティ大ホールにて「禅をきく会」を開催いたしました。
 晴天のもと、約1,000名という「禅をきく会」が始まって以来最も多くの方にご参加いただきました。禅や仏教に対する関心の深さがうかがえます。
 第1部は哲学者、岸見一郎先生による講演「幸福に生きる」です。アドラー心理学をわかりやすく記された著書『嫌われる勇気』がベストセラーになり、最近では『三木清「人生論ノート」を読む』を著され、ご講演やNHK、Eテレビの講師としてもご活躍の先生です。先生は経験談を交えて、静かにご講演をされました。成功をすることが幸せでなく、当たり前に生きることが幸せであり、普通に生きることの大切さを説かれました。また「ありがとう」と言うことの大切さを話され、人間関係を上下関係で見るのではなくお互いを尊重しあうことが重要であると話されました。書籍の販売も行い多くの方が購入してくださいました。 休憩の後、姿勢を調え、呼吸を調え、自然に心も静まるいす坐禅を修行し、参加者の皆さんと共に心静かな時間を過ごしました。
 第2部には、岩手県正法寺堂長、盛田正孝(もりたしょうこう)老師による禅話「いのちを生きる」です。第1部の講演に続き「生きる」ということが主題となりました。昨今、いのちを軽視する事件が多く起こり、人の価値を“役に立つか立たないか”という基準で判断する世の中の風潮を危惧され、犯すことの出来ない「いのち」の大切さを、例話を交えてご講演いただきました。道元禅師の『正法眼蔵』「有時」の巻を示され、相対的な価値による「いのち」ではなく、何ものにも替えがたい「いのち」の尊さをご教示いただき、とても貴重な禅話となりました、会場の参加者の皆様熱心に聴いてくださいました。
今回は初めて参加された方も多く、ラジオや新聞の広告、お寺の掲示板などで「禅をきく会」を知った方もいらっしゃいました。 ご参加いただいた方からも・・・「生きる意味をあらためて考えた」「いのちの尊さを思った」との感想があり、本年も意義のある「禅をきく会」となりました。

平成28年度「禅をきく会」開催報告

 平成29年3月8日(水)に、大宮ソニックシティ大ホールにて「禅をきく会」を開催いたしました。
 お彼岸前の春を感じる晴天のもと、約900名という多くの方にご参加いただきました。   最初は4年前にもご講演を頂いた、シンガーソングライターで奈良県教恩寺住職でもある、やなせななさんによる「夜が明けるよ~やなせななトーク&コンサート~」です。昨年発売されたニューアルバム「夜が明けるよ」の曲を中心に歌を披露してくださり、合間のお話しでは楽曲のモデルとなった様々な人との出会いをお話しくださいました。人は悲しみや苦しみを受け止めて生きてゆく、その中で「いのち」を生きてゆく事の大切さを話されました。東日本大震災の後にも様々な活動をされているやなせななさん。7回忌にあたる本年、歌声とお話しは会場の皆様のこころに感動的に届きました。
 休憩の後、姿勢を調え、呼吸を調え、自然に心も静まるいす坐禅を修行し、参加者の皆さんと共に心静かな時間を過ごしました。
 その後、京都府龍宝寺前住職、中野東禅(なかのとうぜん)老師による禅話「人間学としてのブッダの智~数で教える生き方~」です。お釈迦さまの教えを、順番に資料を用いて分かりやすく、お話しくださいました。ブッダとはお釈迦さまで、ことばに表された生き方の教えが仏教である。「生きていて良かった」と思える生きかたとは、人を思いやる慈悲のことばと行いを大切にすること。様々な例話やご自身の体験を話され、テンポが良くあっと言う間のご講演でした。また、お釈迦さまの教え、道元禅師の教えを具体的に丁寧にご教示いただき、貴重な時間となりました。
 ご参加いただいた方からも・・・ラジオを聴いてはじめて参加したが、とても良かった。歌と講演も禅話も良く勉強になった。との感想があり、本年も意義のある「禅をきく会」となりました。

平成27年度「禅をきく会」開催報告

 平成 28 年2月1日(月)に、大宮ソニックシティ大ホールにて禅をきく会を開催いたしました。
 立春前の寒空の中、約750名という多くの方にご参加いただきました。プロゴルファーで絵手紙作家、日本骨髄バンク評議委員の中溝裕子(なかみぞゆうこ)さんによる講演「食べることは生きること~いのちをありがとう~」と題して、夢であったプロゴルファーになった後、「骨髄異形成症候群」という難病の白血病になった体験談を語り、妹さんのドナーとして骨髄移植を行い、新たに“いのち”を頂いたこと。つらい入院生活も明るく前向きに過ごし、 3 年間食事が摂れなかったが、お母様の支えと、妹さんの“いのち”を頂いたことに感謝し生きる覚悟をしたと、自身の思いを話されました。また、絵手紙も紹介され、食事の尊さ、前向きに今を生きることの素晴らしさを話して下さいました。
 休憩の後、いす坐禅を行い、参加者の皆さんと共に心静かな時間を過ごしました。
 その後、駒澤大学名誉教授、田上太秀(たがみたいしゅう)先生による講演「ほとけも昔は凡人だった」です。この演題の意味は、お釈迦様も普通の人間としてお生まれになり修行をして、ブッダになられたと最初にお教え頂き、他の宗教とは違い仏教は「仏になる教え」であるとお示し下さいました。また「慈悲」の意味も原典を説き、わかりやすく説明をして下さり、お釈迦様の教えは人が生きる道をお示し下さっている。と、ユーモアを交え、丁寧にご教示をいただき、かけがえのない貴重な御講演となりました。ご参加いただいた方からも、より信仰のある生活を深め人生を大切に生きて行きたい・・・。との感想があり、意義のある「禅をきく会」となりました。

平成26年度「禅をきく会」開催報告

 平成27年3月12日(木)に、大宮ソニックシティ大ホールにて禅をきく会を開催いたしました。
 春を感じる陽気の中、約950名という多くの方にご参加いただきました。はじめにライフターミナルネットワーク代表の金子稚子(わかこ)さんによる講演「“死ぬこと”から考える生き方」と題して、夫である流通ジャーナリストの金子哲雄さんを亡くされた体験談を語り、死とは喪失する事ではなく、新たな存在として亡き夫を受け入れることで、つらい思いも共に在るという感覚で乗り越えている・・・。と、自身の思いを話され、また、悲しみは深いが身を調えるという曹洞宗の教えに助けられたとも話して下さいました。休憩の後、いす坐禅を行い、参加者の皆さんと共に心静かな時間を過ごしました。
 その後、大本山永平寺西堂、駒澤大学名誉教授、奈良康明老師による禅話「ブッダと共に祈る」です。現代社会における祈りの大切さ、縁起という大きなつながりの中で生きている私たちはお釈迦様と共に慈悲のこころを持って他者に対し祈りを持って生きることが必要なのでは、「仏への道は、仏の道である。」とお示し下さいました。お釈迦様の言葉を引き丁寧にご教示をいただき、かけがえのない貴重な禅話となりました。ご参加いただいた方からも、仏教の信仰を深め人生を大切に生きて行きたい・・・。との感想があり、意義のある「禅をきく会」となりました。

平成25年度「禅をきく会」開催報告

 平成26年3月6日(木)に、大宮ソニックシティ大ホールにて禅をきく会を開催いたしました。当日は冷たい風が吹く中、約650名の方にご参加いただきました。今年は福島県相馬市のシンガーソングライター 堀下さゆりさんによる歌と講演「希望(しあわせ)の種~ありがとうを君に~」として、東日本大震災の体験談、「福島の子ども達に笑顔をプロジェクト」についてのお話と、NHK「みんなのうた」でも流れていた「カゼノトオリミチ」など歌っていただき、そのとても優しい希望のある歌声が会場にひろがりました。
 今回から休憩の後、いす坐禅を行い、参加者の皆さんと共に静かな時間を過ごしました。その後、宮城県徳本寺・徳泉寺住職 早坂文明老師による禅話「3・11その先へ~ただ、まっすぐに~」。東日本大震災で体験した供養の大切さ、一期一会、今を大切に、流されずに生きる事について、お話をいただきました。また、ご自身が作詞された歌のプロモーションビデオを流し、歌詞についての説明を交えながらお話もいただきました。お二人の話から、一日一日を大切に生きる事の意義を改めて考えさせていただきました。

平成24年度「禅をきく会」開催報告

 平成25年3月8日(金)に、大宮ソニックシティ大ホールで禅をきく会を行いました。今年は天気も良く、参加人数は約900名と今まで一番多くの方が参加して下さいました。
 今年はシンガーソングライター・奈良県教恩寺住職 やなせなな さんによる歌と講演「いのちのふるさとを求めて」として、一僧侶としての自分の考え、東日本大震災を通じて感じた生と死についてお話しいただき、自分の体験談や感じたことを基に作られた曲や童謡など歌って下さり、感動的なステージとなりました。
 休憩の後、福井県霊泉寺住職・青森県円通寺院代 南直哉老師による禅話「無常を生きる」。仏教に関心を持ち、出家して永平寺に入り現在に至るまでの過程、恐山という場で感じる死者の魂、東日本大震災において感じた「無常」についてお話して下さり、その語り口に皆が引き込まれました。 最後にいす坐禅を行い、参加者の皆さんと共に静かな時間を過ごしました。 参加者からも大変好評で、今の時代に仏教の必要性を強く感じる一日となりました。