曹洞宗の教え

■曹洞宗 本山

曹洞宗では福井県の永平寺と神奈川県の總持寺の2ヶ寺を本山とし、それらを両大本山りょうだいほんざんと称しています。一つの宗派においてご本山が2つというのは珍しいと思われるかもしれませんが、曹洞宗では道元禅師と瑩山禅師を両祖としていることから、それぞれがお開きになられた寺が本山となっています。 共に同格対等に位置づけられており、私たちの信仰のよりどころであります。

大本山 永平寺えいへいじ

吉祥山きちじょうざん永平寺といい、場所は福井県吉田郡永平寺町です。

1243年に京都の興聖寺をしりぞいた道元禅師は有力な檀越であった波多野義重の領地であった越前志比庄へ移り、傘松峰大仏寺を建立しました。のちに吉祥山きちじょうざん永平寺と改称され、現在にいたります。ちなみに「永平」は仏教がはじめて中国に伝わった暦号からとったもので、日本で正伝の仏法が生きつづけることを願って命名されました。

七堂伽藍を備えた境内は、山の斜面に建てられているため、急峻な階段がつづきます。四方を山にかこまれるため、山内において四季折々の自然のいとなみを肌で感じることができます。山門前には五代目の住職・義雲禅師が植えられたと伝わる、樹齢700年とも言われる「五代杉」が植わっており、その存在感に歴史の重みを感じさせられます。 冬は豪雪地帯特有の重たい雪が2メートル近く積もることもあり、まさに深山幽谷の修行道場といえます。

現在も200名近くの僧侶が日々修行に励んでいます。
場所 〒910-1294 福井県吉田郡永平寺町志比10-5
電話 (総受付処)0776-63-3102

大本山 總持寺そうじじ

諸嶽山しょがくざん總持寺といい、神奈川県横浜市鶴見区にあります。

瑩山禅師が能登(石川県)にあった諸嶽寺もろおかでらを定賢律師のもとめにより譲りうけ、1321年に總持寺に改められたことにはじまります。 明治31年4月13日、火災により七堂伽藍を消失したが、1911年(明治44年)に現在の鶴見の地に移転しました。ちなみに、能登の總持寺は現在、能登祖院として存続しています。

總持寺は首都圏における布教教化の拠点としてその存在意義は大きく、また広大な境内は都市における緑あふれる心のオアシスとしての地域に根ざした役割を果たしています。

まさに、開かれた禅苑であり、瑩山禅師のお心が脈々と受け継がれた禅の根本道場です。
場所 〒230-8686 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1
電話 (総受付)TEL 045-581-6021 FAX 045-571-8221